
2025年のKBS演技大賞とは?
「KBS演技大賞」は、韓国の地上波放送局KBSが毎年年末に開催する公式ドラマアワードであり、その年に放送されたKBSドラマと俳優たちの仕事を総括する場である。単なる人気投票ではなく、視聴率、作品性、演技力、KBSドラマ史における位置づけなど、複数の観点から評価が行われる点が特徴だ。
2025年のKBS演技大賞で大賞(デサン)候補に名を連ねたのは、長年地上波ドラマを支えてきたベテラン俳優が中心だった。これは偶然ではなく、作品全体を背負い、長い放送期間を通して安定した演技を積み重ねてきた存在が評価されやすいという、KBS演技大賞ならではの性格を反映している。
演技大賞という舞台を通して、2025年のKBSドラマが持っていた意味を読み解いていきたい。
2025年のKBS演技大賞とKBS芸能大賞の違いは?
年末のKBSアワードとしてしばしば混同されやすいのが、「KBS演技大賞」と「KBS芸能大賞」である。
両者は同じKBSが主催する公式表彰式だが、対象となる番組ジャンル、評価基準、受賞者の顔ぶれは大きく異なる。
対象ジャンルの違い
KBS演技大賞は、その年にKBSで放送されたドラマ作品を対象としたアワードである。
ミニシリーズ、週末ドラマ、デイリードラマなど、KBSドラマ枠に出演した俳優・女優が評価対象となり、
主演・助演を問わず「演技そのもの」が主軸となる。
一方のKBS芸能大賞は、バラエティ番組・教養番組・トーク番組など、非ドラマ系番組が対象である。お笑い芸人、MC、タレント、アナウンサーなどが受賞者の中心となり、番組の影響力や話題性、年間を通じた活躍度が重視される。
大賞(デサン)の意味合いの違い
KBS演技大賞の大賞は、「その年のKBSドラマを代表する俳優」に贈られる賞であり、作品を背負う演技力と存在感が強く問われる。
視聴率の高さだけでなく、長期放送を支えた安定感や、役柄への没入度が評価の決め手となることが多い。
対してKBS芸能大賞の大賞は、「KBSのバラエティを一年間支えた顔」とも言える存在に贈られる。
番組の成功度、視聴者からの支持、話題性、さらには放送局への貢献度など、**総合的な“活躍量”**が評価軸となる点が特徴だ。
評価基準と選考の性格
演技大賞は、ある程度演技力・作品性を重視した“結果型”の評価に近い。
一つの役を通して積み重ねた表現の完成度が問われるため、ベテラン俳優が強い傾向が続いている。
一方、芸能大賞は年間活動を総覧する“プロセス型”の評価であり、複数番組への出演や新しい企画への挑戦など、フットワークの軽さも重要な要素となる。
🎭 2025 KBS演技大賞ノミネート一覧(カテゴリ別)

🏆 大賞(Daesang / Grand Prize)候補
以下の俳優・女優が2025年を代表する演技者として大賞候補に名を挙げられています。Soompi
| 俳優・女優 | ノミネート作品(ドラマ) |
|---|---|
| アン・ジェウク | 『For Eagle Brothers(독수리 5형제를 부탁해!)』 |
| オム・ジウォン | 『For Eagle Brothers(독수리 5형제를 부탁해!)』 |
| ナ・ヨンヒ | 『Cinderella Game(신데렐라 게임)』 |
| イ・ヨンエ | 『Walking on Thin Ice(은수 좋은 날)』 |
| キム・ヨングァン | 『Walking on Thin Ice(은수 좋은 날)』 |
| チョン・ホジン | 『Our Golden Days(화려한 날들)』 |
| イ・テラン | 『Our Golden Days(화려한 날들)』 |
ポイント
- ベテラン俳優が中心となっており、作品の“重厚な人物描写”が評価の基準となっています。
- 作品はヒット作から話題性のあるドラマまで幅広く選出されています。Soompi
📺 作品/俳優の登場が報じられている主なドラマ
※大賞以外の主要賞・部門詳細は公式に全発表されていませんが、複数メディアで候補として言及された作品と出演者を一覧化しています。ダウム
| ドラマ作品タイトル | 主要出演/候補として言及された俳優 |
|---|---|
| For Eagle Brothers(독수리 5형제를 부탁해!) | アン・ジェウク、オム・ジウォン |
| Cinderella Game(신데렐라 게임) | ナ・ヨンヒ |
| Walking on Thin Ice(은수 좋은 날) | イ・ヨンエ、キム・ヨングァン、パク・ヨンウ |
| Our Golden Days(화려한 날들) | チョン・ホジン、イ・テラン、ユン・ヒョンミン、反ヒョジョン |
| 남주의 첫날밤을 가져버렸다(My Boyfriend’s First Night?) | 서현(ソヒョン)、옥택연(オク・テギョン)など |
| 내 여자친구는 상남자(My Girlfriend is a Tough Guy) | 윤산하(ユン・サンハ)、아린(アリン) |
| 대운을 잡아라(Grab the Great Luck) | 손창민(ソン・チャンミン)他多数 |
| 마리와 별난 아빠들(Mari and the Strange Dads) | 하승리、현우、박은혜、류진 |
| 여왕의 집(Queen’s House) | 함은정(ハム・ウンジョン)、서준영(ソ・ジュンヨン)、박윤재(パク・ユンジェ) |
| 친밀한 리플리(Close Ripley) | 이시아(イ・シア)、이일화(イ・イルファ)、이승연(イ・スンヨン) |
① 大賞候補俳優のキャリアと演技の積み重ね
アン・ジェウク

(『For Eagle Brothers』)
1990年代後半から韓国ドラマ界を牽引してきたアン・ジェウクは、いわば“地上波ドラマの顔”の一人である。音楽活動も並行しながら、家庭劇から社会派作品まで幅広く出演してきたキャリアは、KBSとの結びつきの強さを象徴している。
『For Eagle Brothers』では、家族を背負う長兄という役柄を通じて、派手さではなく「生活の重み」を演技で表現した点が評価されている。制作発表会では「特別な演技をしようとするより、実際にこういう人がいると思ってもらえることを意識した」と語っており、役作りにおいても抑制を重視した姿勢がうかがえる。
オム・ジウォン

(『For Eagle Brothers』)
映画・ドラマ双方でキャリアを積んできたオム・ジウォンは、感情の揺らぎを繊細に表現できる女優として評価されてきた。下積み時代から「役の背景を徹底的に考えるタイプ」と知られ、近年は母親役や家庭内で葛藤を抱える人物像に説得力を持たせている。
本作では、家庭という閉じた空間の中で変化していく感情を丁寧に積み上げ、視聴者から「共感できる」「現実的」といった声が多く寄せられた。派手な展開が少ない分、演技そのものが評価対象になりやすい作品だったと言える。
ナ・ヨンヒ

(『Cinderella Game』)
長年デイリードラマを中心に活躍してきたナ・ヨンヒは、2025年に改めて存在感を示した。悪役・強烈な母親像など、印象に残る役柄を数多く演じてきたが、本作でも視聴者の感情を揺さぶる演技が話題となった。
デイリードラマ枠は演技大賞で過小評価されがちだが、KBSでは「長期間視聴者を引きつけ続けた演技」が評価されるケースも多く、彼女の安定感は選考上の重要なポイントになる。
イ・ヨンエ

(『Walking on Thin Ice』)
『宮廷女官チャングムの誓い』以降、韓国ドラマ史に名を刻んできたイ・ヨンエにとって、本作は久々の本格的な地上波ドラマ復帰作となった。復帰に際しては「以前と同じ演技を繰り返すつもりはない」と語り、年齢や経験を重ねた女性像をどう表現するかに重点を置いたという。
静かなトーンの中で内面を表現する演技は、派手さこそないものの、作品全体の品格を支える要素となった。復帰作という文脈も含め、演技大賞において象徴的な存在であることは間違いない。
キム・ヨングァン

(『Walking on Thin Ice』)
モデル出身という経歴からスタートしたキム・ヨングァンは、長年にわたり「見た目だけでなく演技で評価される俳優」への転換を図ってきた。ミステリー、ロマンス、社会派とジャンルを問わず出演し、近年は感情表現の幅が広がったとの評価が多い。
本作では感情を爆発させる役柄ではなく、抑えた表現で緊張感を作り出す役割を担い、物語に厚みを与えた。主演女優を支える演技という点で、助演・準主演賞との相性も良いと見られている。
チョン・ホジン

(『Our Golden Days』)
チョン・ホジンは、韓国ドラマ界において「父親役」「年長者役」を語る上で欠かすことのできない俳優である。1980年代から俳優活動を続け、映画・ドラマを問わず数多くの作品に出演してきたキャリアは、演技そのものが“信頼の証”として受け取られる存在感を築いてきた。
若い頃は端役や助演を中心に経験を重ね、年齢を重ねるにつれて家庭ドラマや社会派作品での重厚な役柄を任されるようになった。その変遷は、単なる年齢的な役割の変化ではなく、台詞に頼らず「佇まい」や「沈黙」で物語を支える演技への深化として評価されている。
イ・テラン

(『Our Golden Days』)
イ・テランは、1990年代後半にデビューして以降、地上波ドラマを中心に安定したキャリアを築いてきた女優である。特にKBSドラマとの縁が深く、家庭劇や人間ドラマにおいて、現実味のある女性像を数多く演じてきた。
デビュー当初は比較的明るく華やかな役柄も多かったが、年齢と経験を重ねるにつれて、家庭の中で葛藤を抱える母親役や、人生の選択に悩む女性像へと役柄の幅を広げてきた。感情を大きく振り切るよりも、抑制された演技で人物の内面を表現する点が、イ・テランの持ち味とされている。
② ノミネート作品の前評判と実際の評価
『For Eagle Brothers』

放送前は「典型的な週末家族ドラマ」と見られていたが、初回から安定した視聴率を記録し、最終的には20%を超える高視聴率を達成した。SNS上では派手なバズこそ少なかったものの、「安心して見られる」「俳優の演技が自然」という声が多く、KBSの王道ドラマとして評価された。
『Cinderella Game』

復讐劇としての強い展開が話題となり、デイリードラマとしては高い関心を集めた。視聴者からは賛否両論があったものの、ナ・ヨンヒの演技に関しては一貫して評価が高く、「この枠を支えた俳優」として名前が挙がっている。
『Walking on Thin Ice』

放送前はイ・ヨンエの復帰作として注目されたが、放送後は作品全体のトーンの落ち着きや心理描写が評価された。他の授賞式でも演技賞候補として言及されており、KBS外での評価が追い風になる可能性がある。
『Our Golden Days』

大きな話題作ではないものの、放送期間を通して安定した評価を維持した作品である。家族ドラマとしての完成度が高く、「演技の積み重ね」を評価する演技大賞とは相性の良い作品とされている。
③ 受賞可能性の分析
― 2025年は“誰が一番象徴的だったか”の年
2025年のKBS演技大賞は、
- 圧倒的ヒット作が不在
- ベテラン俳優の存在感が際立つ
という特徴を持つ。
そのため、**大賞は話題性よりも「KBSドラマを象徴する存在」**が選ばれる可能性が高い。復帰という物語性を持つイ・ヨンエ、安定した高視聴率を牽引したアン・ジェウク、長期枠を支えたナ・ヨンヒらは、それぞれ異なる文脈で有力候補と言える。
一方で、最優秀賞・優秀賞では、キム・ヨングァンやオム・ジウォンのように「作品を支えた演技」が評価される可能性も高い。
受賞の行方は…
2025年のKBS演技大賞は、派手な話題性よりも、俳優のキャリアと演技の積み重ねが正面から問われる年である。
誰が受賞するか以上に、「なぜその俳優が選ばれたのか」が明確に語られる授賞式になるだろう。
2025 KBS演技大賞 受賞者(作)リスト

◆大賞
「トクスリ五兄弟をお願い」アン・ジェウク、オム・ジウォン◆最優秀賞(男性)
「ウンスのいい日」キム・ヨングァン◆最優秀賞(女性)
「ウンスのいい日」イ・ヨンエ、「華麗な日々」イ・テラン◆優秀賞ミニシリーズ(男性)
「主役の初体験、私が奪っちゃいました」2PM テギョン
「恋も鍛えてくれますか?-24時フィットネス-」イ・ジュニョン◆優秀賞ミニシリーズ(男性)
「主役の初体験、私が奪っちゃいました」少女時代 ソヒョン
「怪しい彼女」チョン・ジソ◆優秀賞長編ドラマ(男性)
「トクスリ五兄弟をお願い」ユン・バク
「華麗な日々」チョン・イル◆優秀賞長編ドラマ(女性)
「トクスリ五兄弟をお願い」ユ・イニョン
「華麗な日々」チョン・インソン◆優秀賞毎日ドラマ(男性)
「大運をつかめ」パク・サンミョン
「女王の家」パク・ユンジェ◆優秀賞毎日ドラマ(女性)
「女王の家」T-ARA ウンジョン◆助演賞(男性)
「トクスリ五兄弟をお願い」神話 キム・ドンワン◆助演賞(女性)
「トクスリ五兄弟をお願い」パク・ジュングム◆ベストカップル賞
「トクスリ五兄弟をお願い」アン・ジェウク&オム・ジウォン
「恋も鍛えてくれますか?-24時フィットネス-」イ・ジュニョン&Apink チョン・ウンジ
「華麗な日々」チョン・イル&チョン・インソン
「マリと変わったパパたち」ハ・スンリ&ヒョヌ
「トクスリ五兄弟をお願い」ユン・バク&イ・ボム
「主役の初体験、私が奪っちゃいました」ソヒョン&テギョン
「ウンスのいい日」イ・ヨンエ&キム・ヨングァン◆人気賞
「恋も鍛えてくれますか?-24時フィットネス-」イ・ジュニョン&チョン・ウンジ◆作家賞
「トクスリ五兄弟をお願い」ク・ヒョンスク◆短幕劇賞 ラブトラック(男性)
「ラブホテル」ヤン・デヒョク◆短幕劇賞 ラブトラック(女性)
「ラブホテル」キム・アヨン◆新人賞(男性)
「トクスリ五兄弟をお願い」イ・ソッキ◆新人賞(女性)
「華麗な日々」パク・ジョンヨン
「トクスリ五兄弟をお願い」シン・スルギ◆青少年演技賞(男性)
「シンデレラゲーム~偽りの母娘~」キム・ゴヌ◆青少年演技賞(女性)
「ウンスのいい日」キム・シア



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