
八木莉可子:モデルから女優へ、透明感と芯の強さを併せ持つ若手実力派
モデルとしてのスタートと『Seventeen』での活躍

八木莉可子さんは1997年生まれ、滋賀県出身。2015年に開催された「#THE NEXT ASIACROSS MODEL AUDITION 2015」でグランプリを獲得し、この大きな転機を経て芸能界への第一歩を踏み出しました。透明感あふれるルックスと自然体の魅力が審査員の心を掴み、一躍注目を集めました。
その後、2016年には大塚製薬の看板商品であるポカリスエットのブランドキャラクターに抜擢され、CMを通じて全国の視聴者に爽やかな印象を与えました。清潔感と健康的なイメージが彼女の代名詞となり、モデルとしての評価を確固たるものにしました。
さらにファッション誌『Seventeen』の専属モデルとしても活躍し、誌面ではファッションのみならずメイク、ライフスタイル、学校生活に関する特集に度々登場。ティーン世代の「等身大の憧れ」として支持を集め、編集者やスタッフからは「読者とリアルに寄り添える存在」と高く評価されていました。
2019年に『Seventeen』を卒業後は、モデルで培った経験と表現力を土台に、女優業に本格的にシフト。着実に女優としての基盤を築いていきます。
女優としての飛躍と代表作

女優としての飛躍は、多彩な作品での存在感を示すことで訪れました。
2020年代に入り、八木莉可子さんは多様なジャンルのドラマに出演し、それぞれの作品で異なる顔を見せることで、演技派女優としての地位を築き始めます。
まず、ドラマ『時をかける少女』(2020年配信)では、ヒロインの同級生であり、淡い恋心を抱く少女・未来役を演じました。作品の中で八木さんは、揺れ動く10代の心情を繊細に表現し、タイムリープというSF要素の中にも等身大のリアリティを持ち込むことで、青春ドラマとしての魅力を引き立てました。柔らかく感情を滲ませる芝居には、同世代から共感の声が多く寄せられました。

テレビ東京系で放送された社会派ドラマ『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』(2021年)では一転、詐欺事件の渦中で情報を握る謎めいた女性・佐倉詩織を演じ、シリアスな演技に挑戦。多くの登場人物が嘘と真実の間で揺れる中、彼女の視線や台詞に込められた緊張感は、ドラマ全体の軸を支える重要なピースとなりました。台詞の少ないシーンでも、目の演技や佇まいで物語を語る力が印象的でした。
さらに2022年、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、北条時政の娘・きく役に抜擢されます。幼少期から武家社会の中で育ち、権力の移り変わりを見つめながらも、自身の感情を押し殺し静かに生きる女性。八木さんはこの複雑な人物像を、目線や姿勢、呼吸の間合いで丁寧に表現し、歴史劇特有の緊張感の中でも自然体の演技で存在感を放ちました。視聴者からは「若手とは思えない」「心に残る演技」といった反響もありました。

同年放送のフジテレビ系ドラマ『パリピ孔明』では、これまでの清楚なイメージとは対照的な役どころ、久遠七海役を演じました。久遠七海は、一見クールで他人に壁を作るように見えるが、内には音楽への情熱と傷を抱えたシンガー。八木さんはライブシーンでの表情や歌唱パフォーマンスに力を注ぎ、プロの歌手のような存在感を漂わせながら、役の内面にも繊細に迫る演技で高く評価されました。本人もインタビューで「初めての音楽を軸にした役で、声の出し方から姿勢まで学び直しました」と語っています(※モデルプレス 2022年10月インタビューより)。
そしてNetflixオリジナルドラマ『First Love 初恋』(2022年)では、満島ひかりさん演じるヒロイン・野口也英の高校時代の役として出演。青春の甘酸っぱさと切なさが交錯する物語の中で、笑顔の裏にある葛藤や、夢に向かって生きる少女の姿を瑞々しく体現しました。主演の佐藤健さんと共演するシーンでは、初恋のきらめきと痛みを映し出す静かな演技が視聴者の胸を打ち、同作の魅力をより一層深める要素となりました。
このように、八木莉可子さんは各作品ごとに異なるタイプの役柄を自然体で演じ分けることで、表現者としての厚みを増しています。それぞれの場面で視聴者の心をつかむ彼女の演技は、今後ますます注目されることでしょう。
透明感と芯の強さを併せ持つ人物像

八木莉可子さんの魅力は、その透明感とともに、内に秘めた芯の強さを感じさせる人柄にあります。撮影現場では控えめながらも観察眼に優れ、常に周囲と調和しながら自分の役割を全うする姿勢が印象的だといわれています。
インタビューでは、
「演技は自分の中の感情を探り、役の心に寄り添うこと。自分が経験していない感情も丁寧に拾い上げて表現したい」
と語り、役へのアプローチにおいて“共感”と“想像力”を大切にしていることを明かしました。その真摯な姿勢は、女優としての成長に確かな土台を築いています。
また、2023年からは長寿トーク番組『アナザースカイ』(日本テレビ系)にてアシスタントを務め、ナビゲーターの今田耕司さんと共に、ゲストの人生や価値観に寄り添う姿勢が視聴者の心を引きつけました。番組では、聞き役として自然な表情と間合いを大切にしながら、時に鋭く、時に柔らかくゲストの思いを引き出す対応力を見せています。演技とはまた違う“素”の八木莉可子さんの魅力が垣間見える場となり、「こんなに人の話をまっすぐ聞ける若手は珍しい」「画面から誠実さが伝わる」といった反響も多く寄せられました。
モデルとしても女優としても、SNSやファンとの交流に積極的で、気取らず等身大の言葉で自身の思いや日常を伝える発信力も、若い世代を中心に支持を集めています。Instagramでは、撮影の合間のオフショットや撮影に込めた思いを綴る投稿が人気を呼び、フォロワーからは「言葉に嘘がない」「演じる姿も素だけど、投稿からも芯の強さが伝わってくる」といったコメントが寄せられています。
現場での八木さんを知る関係者からは、
「誠実で謙虚。控えめだけど、自分の信念を貫く姿勢がある。目標に向かう意志は強く、今後の成長が楽しみな存在」
という声も上がっており、内外からの期待が高まっています。
今後の展望と期待

モデルとしての土台を生かしつつ、着実に女優としての演技力を磨いてきた八木莉可子さん。今後も多様な役柄に挑みながら、舞台や声優など新たなフィールドにも挑戦する可能性があります。
多くのファンや業界関係者は、彼女の清潔感あふれるルックスと深い演技理解に大きな期待を寄せています。これからも八木さんは、透明感と芯の強さを武器に、観る者の心に強く響く存在であり続けることでしょう。
最新作『終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-』への期待

八木莉可子さんは、2025年公開予定の映画『終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-』への出演で、新たな挑戦を迎えています。本作ではこれまでにない難役に取り組み、感情の深層に迫る繊細な演技を求められています。
本人もインタビューで
「この作品を通して、自分自身の新しい一面に出会えた気がします。演じることの難しさと喜びを強く感じており、多くの方に届けたい作品です」
と語り、役への強い思いを明かしています。
共演者やスタッフからも
「八木さんの演技は作品に深みを与え、スクリーンに強い印象を残しています。今後の活躍がますます楽しみです」
との声が上がっており、彼女の成長と可能性を証明する重要な作品になることが期待されています。
透明感と芯の強さを持つ八木莉可子さんが、この新たな挑戦でさらに輝きを増す姿に、多くのファンや映画ファンの期待が高まっています。
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