
これまでの活動とブレイクの契機
映画『PERFECT DAYS』で世界デビュー

中野有紗さんは、2023年に公開されたヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』で俳優デビューしました。本作で演じた主人公・役所広司さん演じるトイレ掃除員の姪・ニコ役は、演技経験がほとんどない中で挑んだ初の映像作品にもかかわらず、自然体かつ繊細な表現に挑んだ役作りが高く評価されました。
本作は第76回カンヌ国際映画祭にも出品され、主演の役所広司さんが最優秀男優賞を受賞。中野さん自身もカンヌのレッドカーペットに立ち、日本の新たな若手俳優として注目の存在となりました。
撮影時には監督から「君の演じるニコは作品にとって重要な人物なんだよ」と言われ、自分らしさを大切に演じていったと語る中野さん。その言葉が自信につながり、素の自分を映像に露わす表現にもつながったようです。
この作品での演技をきっかけに、「おおさかシネマフェスティバル」では新人女優賞を受賞、今後の演技者としての道を確かなものにしました。
Hulu配信作『まだゆめをみていたい』(2024)

2024年にはHuluオリジナル『まだゆめをみていたい』で主演を務めました。本作は「夢を追い、夢に溺れ、夢に導かれる」というテーマのハートフルファンタジーで、漫画家を目指す女子大生の成長と心の葛藤をリアルに描いています。
現役女子大生監督による青春ドラマで、主人公“夢子”役を通じて自分の夢や心と向き合う“若者の声”を体現しました。この作品でも等身大の感情表現に挑戦し、自然体の演技と表現力を磨いています。
- 役名:前田夢子(まえだ ゆめこ)
- 設定:都内で大学生活を送りながら、漫画家を目指す女子大学生
<本人コメント>
「自分の夢に不安や葛藤を抱いている人の心に寄り添い、後押しができるような作品に出来たらと思いました。また…夢子として過ごす時間がとても楽しくてたまらなくなりました。親友やライバルとの関係性の変化や夢子の成長にも是非注目して見て頂けたら嬉しいです」
映画「この夏の星を見る」出演(2025)

2025年7月4日(金)全国公開の映画「この夏の星を見る」(原作/辻村深月 監督/山元環 脚本/森野マッシュ)に、佐々野円華役で出演しています。
物語は、2020年コロナ禍で部活動が制限された中高生たちが、オンラインを通じて「スターキャッチコンテスト」(望遠鏡で星を捉える競技)に挑む青春ドラマです。茨城・東京・長崎(五島列島)の学生たちが、困難を乗り越え繋がり合う姿を描きます。
佐々野円華(中野有紗):役どころとキャラクター
- 役名:佐々野円華(ささの まどか)
- 学年・部活:長崎・五島列島にある泉水高校の3年生。吹奏楽部所属。
- 背景:旅館「つばき旅館」を営む家庭に育ち、部活や地元との板挟みに悩む。
- 劇中描写:親友と距離を感じながらも、天文台へ仲間に誘われ星空へと目を向けるように。
- 五島の星空と心の繋がり
- 中野さんのコメントによると、ロケ中に実際に感じた天体の美しさと近さが演技にリアルな感情を吹き込んでおり、視覚ではなく“感覚”を通じた表現が円華というキャラクターに説得力を与えます。
- 自然や地方文化の描写
- 吹奏楽部や旅館の家庭背景など、円華を取り巻く人間関係や地域性を活かした演技は、物語に深みを与えるキーファクターとして注目されます。
五島の星空と心の繋がり
中野さんのコメントによると、ロケ中に実際に感じた天体の美しさと近さが演技にリアルな感情を吹き込んでおり、視覚ではなく“感覚”を通じた表現が円華というキャラクターに説得力を与えます。
自然や地方文化の描写
吹奏楽部や旅館の家庭背景など、円華を取り巻く人間関係や地域性を活かした演技は、物語に深みを与えるキーファクターとして注目されます。
仲間との交流と心の距離感
「スターキャッチコンテスト」を通じて茨城、東京の登場人物たちとオンラインで繋がり合う中で、円華がどのように自分と向き合い、他者と心を交わせるようになるか、その過程が見どころです
新ドラマ『ぼくほし』で初連ドラレギュラー挑戦

2025年7月からスタートする学園ヒューマンドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』で、中野さんは主人公が通う学校「濱ソラリス高等学校」の3年葵組に在籍する生徒会議長・北原かえで役を演じます。
かえでは一見クールで才女と評される反面、家庭に複雑な事情を抱えており、その内面の揺らぎや葛藤を抱える難役。初めての連続ドラマ出演となるなか、等身大の高校生らしい悩みや友情、成長を丁寧に演じると語っています。
所属する葵組は“スーパー特進コース”で、学園内の統合問題や校則改変に揺れるリアルな高校生たちの姿を描く本作は、法的枠組みを越えた心の対話を探る内容で大森美香氏が脚本を手がけています。
中野さんは「戸惑い、悩み、悲しみ、笑うところ…等身大の高校生だと感じている」「丁寧にかえでを生きていきたい」とコメント。共演の若手俳優陣との化学反応にも期待が高まります。
映画や創作活動への意欲も

中野さんはモデルとしても活動しており、高身長(約170 cm)がコンプレックスだったという自身を、強みに変えるプロセスを自身語っています。その素直さや前向きな姿勢が、朗らかで柔らかな雰囲気を感じさせ、表現者としての伸びしろを感じさせます。
インタビューや雑誌取材では、以下のような嗜好・特技にも触れています:
- 映画愛好:ヴィム・ヴェンダース監督作品、クラシック映画やヒッチコック作品。
- 音楽嗜好:スウィングジャズ(Glenn Miller、Benny Goodmanなど)を好む。
- 創作志向:幼い頃から物語を書くことが好きで、将来的には声だけの仕事も志望。執筆や絵画など幅広い表現活動に挑戦したいと語っています。
- 自然や感性への共鳴:東京・吉祥寺の自然風景や日々の季節の移ろいに心を寄せ、穏やかな文系的ライフを楽しむタイプ 。
幅広い分野への造詣で期待させる、今後の成長

中野有紗さんは、映画デビューからまだ日の浅い20代前半の俳優ですが、すでに世界的映画作品に参加し、次世代の若手俳優として名を馳せはじめています。演技面では“ありのまま”の自分を役に重ねる表現を得意とし、その先には声優や創作活動にも目を向けています。
- 大学進学との両立:大学にも進みつつ、自分の表現活動を多岐に展開していく意欲を持っています。
- 多様な役への挑戦:モデル出身から映画、ドラマと舞台を広げ、今後は声や執筆や絵画などの分野でも自己を表現していきたいという広い視野を持っています。
本人が語る今後の夢…
「今の私の夢は様々なことに挑戦すること、そしてあらゆるものを見て学び吸収し続ける事です。目標はまだ一つに絞られていませんが、自分の目指す道にまっすぐに進んでいくところは夢子と似ていると感じています」
ドラマ『ぼくほし』での連ドラ初挑戦を皮切りに、今後は映像作品での役柄の幅をさらに広げ、表現者としての深みと多様性を深めていくことが期待されます。映画、ドラマ、声の仕事、創作と、新たな領域を探求していく彼女の成長と活躍から目が離せません。
これまでは映画での自然体の演技に強い印象を残し、今後のドラマ初挑戦では、等身大かつ芯の強い人物像に挑もうとする中野有紗さん。彼女の柔らかな感性と誠実な表現への姿勢は、これからの日本のエンタメ界でますます輝いていくことでしょう。
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